「エッセンシャル思考」を読んでみた|仕事に忙殺されている僕たちが読むべき本
「自分はこんなに頑張っているのに、どうして周りに認められないのだろうか。」
そう、思ったことは無いだろうか。
或いは、謙虚な人ならば、
「認められないのは、自分の努力がまだまだ足りないからだ。」
と考え、より仕事に邁進するかもしれない。
そんな貴方に、僕が読んで欲しい本がある。
毎日が忙しくてしょうがない
朝起きたらLINEやメールに連絡が来ていないかチェックし、朝ご飯を食べ、洗濯物を干して、髪をセットして、大学(社会人なら会社)に行く。
講義を受けたり課題をやったり、社会人なら上司に振られた様々な仕事をこなし、お昼を食べたら再び、午前と似たようなことをする。
18~20時頃に家に帰り、大学のレポートや職場で終わらなかった仕事を家でする。
当然のことながら、
「私はもっと忙しい!」
そういう風に思う方もいるだろう。
まあ、少なくとも、忙しいと感じている人。
僕たちは、
自分がやらなくてもいい仕事
を積極的に引き受けている可能性がある。
例えば、
- あまり仕事が得意でない同僚や友人の仕事を引き受ける
- 大学に「やってほしい」と頼まれたボランティア
- 上司に突然フラれた仕事
などのことだ。
僕らは、こういう "本来自分の仕事ではない仕事" をやらされている。
そして、毎日心を擦り減らして頑張っているのに、認められない。
それどころか
「あいつは仕事が遅い。」とか「なんか頑張ってるけど、何をやってるかわからない。」という風に言われる。
そんなあなたは、 "良い人" すぎやしないか?
エッセンシャル思考という考え方
僕はすべてが中途半端だ。
- 大学の先生に頼まれたサークルをまとめる委員会の委員長
- 大学の生徒会的存在「学友会」
- 理系の3年生なのに、研究室での実験
- 院生の実験の手伝い
- サークルの部長
- 自分の趣味
ここに載せたものはほとんどが、
「僕がやります。」
と言って引き受けたものだ。
大学生になった僕は、自分を変えたかった。
兎に角いろんなことを経験しようと、あらゆる仕事に対して "イエスマン" になっていた。
「テック君、あれやって」
「レポート見せて」
「あのポスターの件なんだけど」
「そういえば、進捗どうなってるの?」
「お店は予約した?」
「卒アルの写真撮りたいから全サークルまとめといて」
これはホンの一端。
僕は、あらゆる方向にいい顔をしようと、全方向に少しづつしか進んでいなかった。
例えば、これを実験だけに絞ったりだとか、サークルの部長だけに全力を注いでいたりとかすれば、もっと目に見える成果があったかもしれない。
でも、僕にできたのは、精々が "無難に回す" ことだけだ。
そんな中で、いろんな仕事に忙殺され、やらなきゃいけないことが目の前にあるのに、体や頭は動かず、意味のないメールチェックやSNS、趣味(やりたいこと)しかできなくなっていった。
僕はこの状態を "精神的行動力がなくなった状態" とか勝手に呼んでるんだけど。
クリスマス、彼女のために休日をとったのに、彼女への会話は大学や研究、院試の話ばかり。
馬鹿なんじゃないかと。
自分で抱え込んだことに、心を擦り減らして、挙句彼女にまで嫌な思いをさせる。
でも、抱え込んだ仕事は、僕がやらなきゃ他にやろうとする人はいなかった。
とかいう考え方は、「エッセンシャル思考」という本を読んでから、変わった。
本当は、やらなくてもよかった。
僕の仕事じゃ無かった。
と。
この本では、
「自分にとって、本当に重要なことは何か?」
「自分の仕事以外をやらずに済む方法」
「最小の仕事で、最大の成果を出す方法」
について述べられている。
僕のように、周りの期待に応えようと、360°全方向にいい顔をしようと、あらゆる頼み事や仕事を引き受けて、頑張っているのにうまくいかない人。
そんな人こそ読むべき本だ。
この本で、僕が特に感銘を受けたことをいくつか紹介していこう。
僕が特によかったと思う所
トレードオフ
"何かをする" 、 "何かを選ぶ" ということは、それに相当する何かをやらない、捨てるということだ。
例えば、ある日に彼女と過ごすことを選んだならば、その日は大学で研究をしない、ということになる。
当たり前すぎるコトだが、それ故に意識して行動できている人は少ない。
「今日は時間があるから、大学のレポートをしよう」
それは、大学のレポートをするために、自分が好きなことをする時間を捨てるということだ。
"トレードオフ" ということを意識していないと、ついつい仕事を頼まれても「夜なら時間があるからできるよ」などと言って引き受けてしまう。
その仕事が彼女との時間を捨てさせているにも関わらず。
気付けないのだ。
僕らは何かをするとき、必ずそれと対等の何かを失っている。
それを意識しなければならない。
拒否と削減
自分に必要な仕事は何か?最重要な課題は何か?
自分じゃなくてもできる仕事、自分がやらなくてもいい仕事。
そういう仕事を断ることで、自分が本当にやらなければならない仕事に全力を注ぎこむことができる。
あるいは、自分がいま最も解決しなければならないことは何か?
場当たり的に課題に取り組むのではなく、最もボトルネック(足を引っ張っている課題)になっていることを解決する。
それによって、最小限の仕事で、最大限の効果を得ることができる。
大切なことは非常に多いが、すべてに意識を向けることはできない。
まず初めに何に意識を向け、行動するか。
それをよく考えることだ。
考えるためのスペースを作る
僕らが、大量の仕事に追われるのは、思考を停止して、あらゆる仕事を引き受けているからだ。
初めのきっかけはともかくとして。
仕事を引き受け、忙しくなり、自分にとって重要でない仕事でも「やります。」といってしまう。
そしてさらに忙しくなる。
そのループによって、本来自分がやるべき仕事が何なのか、考えられなくなってしまう。
かの有名なマイクロソフトの創設者 "ビル・ゲイツ" は年に何度か、一切の仕事をせず、ただただ "考える" ためだけの「考える週」を作っていたらしい。
ひたすら誰にも邪魔されずに考えることで、自分にとってやるべきこと、やりたいこと、重要なことが見えてくる。
でも、現代で誰にも邪魔されずに考えることはできない。
一人でいても、スマートフォンでネットにつながっているし、家の外やカフェは喧騒に包まれている。
だからこそ、スマートフォンを置いて、ひたすらに静かな場所で目をつむって考えることが必要だ。
この本を読んで僕はどうするか
「エッセンシャル思考」を読んで、僕はまず大学4年生では、あらゆる仕事を断ろうと思う。
学友会、サークルのまとめ、友人のレポート。
自分が本当に重要だと考えるコトに注力するために。
それ以前に、本当に重要なことは何か?ということを考えなければいけないけれど。
まずは、日々の生活の中に、考えるための、何もしない時間を作りたいと思う。
まっさらな紙と、ペンだけをもって考える時間。
その上で、何が僕にとって重要で、やらなければならないか。
それをじっくり考えていこう。
そのための時間を、仕事を断ることで作り出すんだ。