Tecの路地

現役理系大学生が、趣味のこと、ガジェットレビュー、写真、お気に入りのお店などについて、雑記的に記していくブログ。

KZ ZS7を改めて聴きこむ|イヤホンレビュー

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先日、普段からよく読ませて頂いているサイトで次のような記事を読んだ。

catwalk1101earphone.hatenadiary.jp

要約すると、

  • KZ ZS7はある程度駆動力が必要
  • 駆動力が足りないと低域が不明瞭になる

ということらしいので、今回はKZ ZS7に十分な駆動力を与えたうえで、改めて良く聴きこんでレビューしなおしてみる。

 


具体的には、いつものポータブルではなく、レコーディング等に用いられる機材 "Steinberg UR242" と同じくレコーディング&ミキシング用のDAWと呼ばれるソフトウェア "Cubase"を用いる。

具体的なシステムは、以下の図の通り。

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PCではプロのスタジオエンジニアも使うCubaseというソフトウェアを起動し、これを用いて音楽を再生する。
PCから、USBDACの代わりにレコーディング等に用いられる機材 "Steinberg UR242" にデジタル信号を送り、UR242でアナログ信号に変換した後、3.5 mmの3極ヘッドフォンジャックからイヤホンに信号を流す。

イヤホンに十分な駆動力を与え、できるだけ元音源そのままのデータを送る、この一点に関してはこれ以上の構成はそうそうないだろう。

というわけで、聞く曲はこちら。

  • ポルカドットスティングレイ「顔も覚えてない(flac)」
  • 夏代孝明「ワンマンライフ(flac)」
  • 周平「Overture(mp3)」
  • 米津玄師「アイネクライネ(flac)」

どれも僕が好きなアーティスト、曲のなかで選りすぐりのモノだ。
これらを聴いてZS7の音質を判断してみる。
(周平さんのOvertureがmp3なのは、配布音源がmp3しかなかったから。)

あと、曲別の音のレビューはしないので、あくまでこの曲を聴いて感じたことであることを了承して読んでほしい。

さて、ZS7の聴きどころは、低域。
かなり低周波なところまで出ているとのことで、そこに注意して聞いてみるが、一応全帯域についてそれぞれ感じたことを書いて行こうと思う。

まず、全体の音の傾向としては、低域強めのドンシャリだ。
超低域(~100Hz)~低域(100Hz~300Hz)が強く押し出されているが、300Hz~2000Hz程度の中域はある程度抑えられているのかスッキリしていおり、低域が他の帯域をカバーして聴きづらいということは無い。

ちなみにボーカルの声域は一般的に100~800Hz程度。
例えば、有名な曲としてレミオロメンの粉雪のボーカルの声域は123.47~440.00Hz。
300~2000Hzが持ち上がっていると、ボーカルが籠ってきこえるようになる。
これはボーカルの倍音が良く含まれているため(だと思う)。
ちなみに3000~6000Hz前後が持ち上がっているとボーカルの抜け感は良くなるが、サ行が刺さり易くなる。

www.youtube.com

2000Hz~6000Hzの中高域も比較的大人しい。
しかし、6000~10000HzはマルチBAだけあって耳が痛くならない程度に、それでいてある程度の明瞭感を出しつつ、持ち上がっている。

更に、10000Hz以上の超高域はまずまず抑えられている印象。
10000Hz以上の音が持ち上がっていると、非常に神経質で嫌な音になるので、これは良いと思う。

ZS7は1つのダイナミックドライバと4つのBAドライバを搭載している。
これは低域と分離感を両立させることが目的だと思う。

曲に含まれる楽器や声は、メインとなる周波数(例えばボーカルの音程のような)の他にあらゆる周波数を含んでいる。

例えば以下の画像は僕の歌声ある瞬間の周波数特性図だ。
130Hz付近が最も持ち上がっており、これがその瞬間出していた "音程" だ。
そして、ギザギザな波形になっている。
このとがっている部分を倍音という。

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このとき僕は、うるさくない抜けの良い低音を意識して歌っていたから、1000~2000Hzの人間の耳が一番反応しやすい周波数が抑えられていて、抜けが良くなる3000Hz~6000Hzが持ち上がっている。
(1000Hz付近は人間が一番良く反応する音域なので、ここが強いと喧しく感じる)

イヤホンにおいて低音の量感と分離感を両立するには、超低音域(~100Hz)の量と中高域(3000~6000Hz)の絶妙なコントロールが重要だと思う(憶測だけど)。
低音を出す楽器に含まれる高域の倍音を綺麗に出すことで低音の分離感が良く聞こえるんじゃないかな。

話が逸れた。
さて、このZS7は持ち上がっていると喧しい1000Hz周辺、神経質な音になる10000Hz以上の音が抑えられ、迫力の増す100Hz以下が強いのだと思う。

十分以上(というか過剰)な超低域(~100Hz)の量と、中高域(3000~6000Hz)の巧みなコントロールから、低音の分離感とボーカルの自然さ、適度な明瞭感が生まれたんじゃないかな。

個人的にはもう少し明瞭感が欲しいと思うこともあるけど、これ以上に高域が前に出るとそれはそれで日本のイヤホンにありがちな、なんか綺麗だけど耳の痛いイヤホンになる気がする。

総評だけど、改めてZS7を聴きこんだ結果、やはり良いイヤホンだなと思う。
僕が良く聞く音楽は、テンポの速いロックだ。
アニソンもテンポが速いものを聴くし、邦ロックもテンポが速いものを聴く。

KZ ZS7はベースがタイトではないが非常に良く聞こえるし、かなり低い所までなっているから迫力も素晴らしい。
ボーカルは自然で、中高音も煩くない。
耳に刺さらず、低音が強いのが苦手でなければ長時間聴くこともできるだろう。

一方、突き抜けるような明瞭感は無い。
必要最低限の明瞭感はあるのでそこは好みかも。

以上から、僕とジャンルが被っているような人はZS7、おすすめだ。

 

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