Tecの路地

現役理系大学生が、趣味のこと、ガジェットレビュー、写真、お気に入りのお店などについて、雑記的に記していくブログ。

【SAO】フルダイブ技術は実現するか?|理系大生が考察してみる。

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結論から言うと、ナーヴギアのようなフルダイブ技術は現状不可能だ。

ということで、現在の技術とSAOのフルダイブ技術のギャップや、何故できないかについて書いて行こうとおもう。

フルダイブ技術が現状実現不可能な理由

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正直に言うと、SAOのような ”フルダイブ技術" はまだまだ夢物語の域を出ない。
SAOの世界では、 "フルダイブ" は3つの工程に分かれている。

  • 入力(input)
  • 出力(output)
  • 遮断(cut off)

この3つだ。

入力(input)

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まず、 "入力(input)" は視覚(目)、聴覚(耳)、味覚(舌)、嗅覚(鼻)、触覚(体表面)の五感情報を外部機器(ナーヴギア)から脳に入力しなければならない。
現代の技術で、それらの情報を脳に直接、神経を通して入力することは、不可能ではないが、 "ゲーム" に転用可能なレベルには達していない。

視覚(目)については "バイオニック・アイ" と呼ばれる技術がある。
この技術は、視覚を失った人が、目に人工網膜チップ、脳内に電子装置を埋め込むことによって実現する。

人工網膜チップが受け取った光情報を電気信号に変換し、脳内の電子装置がその信号を増幅して視神経を刺激、これによって1500ピクセル相当の絵を見ることができる。

matome.naver.jp

まずゲームに使うにして、少なくとも脳内に装置を埋め込む必要があるし、1500ピクセルでは、まともなゲームプレイは期待できないだろう。
1500ピクセルの絵というと、かなりアバウトだが、縦横40×40程度の絵ということになる。
現代のゲームは2100000ピクセル相当、1980×1080の視覚情報によって成り立っているし、そんな高画素な絵を脳に直接送るのは非常に負荷がかかるのではないだろうか。

というか、さすがに脳に機械を埋め込んでまで、ゲームプレイをしようという人は非常に少ないだろうし、仮に技術的にできたとしても、安全面や倫理面で国が許可しないだろう。

そして聴覚、これは一応、脳にパルス状のマイクロ波を照射することで間接的に音声を聞かせることはできるらしい。

wired.jp

といってもモノラルでは、ゲームプレイで感動するような臨場感はないだろう。

残りの味覚(舌)、嗅覚(鼻)、触覚(体表面)については、あまり資料が見つからなかった。
技術的には多少はあるのかもしれないが、実用段階とは程遠いのではないかと思う。

出力(output)

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SAOの世界では、脳からの出力として、運動情報をナーヴギアで受け取り、ゲーム内の仮想体(アバター)に反映させている。
ここで困難な点は「脳からの電気信号(運動情報)を明確に解析しゲーム内の体に反映させる」ということ。

これがうまくできなければ、僕らがゲームをプレイするときに、

「右手を動かしたつもりなのに左足が動き出した」

なんてこともありうる。

その程度ならまだマシかもしれないが、そんなことを体感して人間がどんな影響を受けるかわからない以上、実際に実験することもなかなか難しいのでは?と思う。

一応、脳波で仮想の腕(ロボットアーム)を操作する実験は成功している。

www.itmedia.co.jp

そのため、そう遠くない将来、神経から運動情報を受け取るのではなく "脳波" でゲームのアバターを操作できるようにはなるかもしれない。

遮断(cut off)

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最も難しいのは、脳からの電気信号(運動情報)を遮断することだろう。
何故なら、脳からの運動情報を遮断するということは、心臓や肺等の生命維持のために必要な運動の電気信号をも遮断するということだからだ。

信号を選択して遮断することができればいいが、少なくともそのような情報は調べた限りではネットには載ってなかった。

仮に実験をしようにも、下手をすれば簡単に人が死ぬことになるので、そうそう実験もできない。
少なくとも、SAOと同じように脳からの電気信号をカットできるようになるのは、はるか未来の話だと思う。

ただ、もしこれができるようになれば、医療の世界で、手術など痛みが伴うとき、薬による麻酔がいらない世界が来るのかもしれない。

でも、半ダイブゲームならできるんじゃない?

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冒頭で、SAOレベルのフルダイブゲームは現状不可能だと言ったが、

  • 網膜照射型ディスプレイ
  • 脳波によるアバター操作

を組み合わせればフルダイブまではいかなくとも、 "半ダイブ" くらいならできるのではと思う。

現在、VRチャットなるコミュニケーションゲーム?がある。

www.moguravr.com

このゲームはHMD(ヘッドマウントディスプレイ)をかぶって、アバターの視界を疑似体験しながら、ほかのプレイヤーとコミュニケーションをとるのだとか。

  • HMDから網膜照射型になって、より鮮明でリアルな映像が見れるように
  • 脳波で自由自在にアバターを操作できるように

そんな風になったら、まるで自分がゲームの世界に入り込んだように感じることはできるのではと思う。

まとめ

今回は、SAOのフルダイブ技術が現実で可能か?ということについて考えてみた。
僕も中学生のころにSAOにはまって、一時期はVRをするために大学に行こうと考えていた時もあった。

なんやかんやで、VR系の大学には行かなかったのだけど、やはり興味深い分野であることに変わりはない。
未来のVRゲーム、はやく実現するといいなぁ。

それでは!