ベイヤーダイナミックの古強者!モニターヘッドフォンDT990PROの実力は?3年使い倒した僕がレビューする。
僕とヘッドフォン
皆さんはヘッドフォンというものを持っているだろうか?
僕の周りでは3人に1人くらいの割合でヘッドフォンを持っている。
イヤホン派が多いのかもしれない。
特に最近はEarPodsを代表とするワイヤレスイヤホンが主流になってきているし、スマートフォンからも徐々にイヤホン端子がなくなってきている。
それにヘッドフォンは重くてかさばるし、持ち歩きたくないと行く気持ちは、まあ、わかる。
だから、ヘッドフォンを使う人はさらに少なくなっているのかもしれない。
でも、僕はヘッドフォンを持ってない人がいたら、ヘッドフォンの良さを説きたくなるくらいにはヘッドフォンが好きだ。
イヤホンも大好きなんだけど、じっくり音楽を聴くとか、映画やアニメを見る、となるとやはりヘッドフォンのほうが世界に没入できる。
ヘッドフォンは音を出すドライバーがイヤホンの10倍~20倍の大きさなので、ヘッドフォンのほうが音の表現の幅が広いのは当然のことだ。
(例えば、10 mmドライバのイヤホンと40 mmドライバのヘッドフォンで比較する。イヤホンのドライバ面積は、π x 5^2 = 78.5 mm^2 で、ヘッドフォンのドライバ面積は、π x 20^2 = 1256 mm^2 だ。1256 / 78.5 = 16 で、ヘッドフォンはイヤホンの16倍のドライバ面積を持っていることになる。)
難しい話はさておき、今日は僕が3年前から使っているヘッドフォン「DT990PRO」を紹介しようと思う。
beyerdynamic DT990PRO
このDT990PROは、1980年代に発売されたDT990の後継モデルだ。
スタジオモニター用に開発されたプロユースのヘッドフォンで、今もなお根強い人気を誇っている、まさに「老兵」と呼べる。
「開放型」という、あえて音漏れさせることで開放的な音を目指したタイプのヘッドフォンで、外では使えないが、室内なら抜群の音質で音楽を聞かせてくれる。
僕も、外出時はイヤホンを使うことが多いのだけど、家で音楽を聴くときはこのDT990PROを使って聞いている。
音のバランスは、世間ではドンシャリと言われがちだが、個人的な聴覚上は極めてフラットだと思う。
高音域はきめ細やかで、中音域はまろやか、低音域はけして突出せず、縁の下の力持ち的に、それでいて存在を忘れさせない、いい音を鳴らしている。
僕は歌ってみたのmixもこのヘッドフォンでやっているので、DTMにもばっちり使えると思う。
解像度と呼ばれるものも必要十分で、聞き疲れないギリギリの音だ。
実際僕は、mixや動画編集をするとき、このヘッドフォンをつけて何時間もパソコンの前にいることがあるが、耳が痛いとか疲れたとか、あまり感じたことはない。
ただ、このヘッドフォンは、購入当初は特徴的なシャリシャリする高音と、よく響く低音で、人によっては苦手な音質だと思う。
しかし、1年、2年と使っていくことで、ヘッドフォンのドライバー(音を出すパーツ)が馴染んできて、まろやかでなんとも言い難い音に変化していく。
僕はエージングというものを信じてはいなかったのだが、このヘッドフォンのおかげで、エージングはあると思うようになった。
※エージング:音を流し続けることで、そのヘッドフォン等の音質が向上する現象。
このヘッドフォンは非常に堅牢だ。少々雑に扱ったって、骨組みが鉄でできているからびくともしない。
ケーブルもカールコードで断線しにくいし、イヤーパッドもヘタってきたら別売りのイヤーパッドに交換することができる。
正直、僕はこれ以上のヘッドフォンは存在しないと思う。
10万、20万出せば話が違うかもしれないが、少なくとも、10万クラスまでのヘッドフォンを聴く限り、このDT990以上の音質のヘッドフォンは聞いたことがない。
僕の主観によるところが大きいから、万人に通用するものではないかもしれない。
しかし、もし誰かに2万で室内用のヘッドフォンを紹介する、となればこれ以外のヘッドフォンは勧めない。
beyerdynamic ダイナミックオープン型オーバーヘッドホン DT 990 PRO 【並行輸入品】
- 出版社/メーカー: beyerdynamic
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最後に
デザインは、古臭くておしゃれじゃないと思う人が多いこのヘッドフォンだが、僕は逆に、この武骨さ、オールド感がおしゃれだと思う。
さすがに外でこれをつけている人がいたら目を疑うけど。(音漏れ的な意味で。)
解像度、音のバランス、音の広さ、音のまろやかさ、どれをとっても逸品で、これからも売らずに末永く使っていきたいと思わせるヘッドフォン。
皆さんも是非、お気に入りのヘッドフォンで、深い音の世界に浸って見てはどうだろうか。
そして、よければそのヘッドフォンを僕に教えてほしい。